

41歳会社員、鉄道運転士になる。
これからは挑戦をサポートする立場。
H.H.さん 鉄道運転士
筑豊電気鉄道 指導運転士
2015年入社 48歳 正社員
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ドキュメンタリー映画のような研修体験
前職は旅行業で大阪にある空港にて窓口業務をしていましたが、地元の北九州に戻り転職活動をすることにしました。いろいろな求人を見ている中で、筑鉄(筑豊電気鉄道)が車掌の募集をしているのが目に留まったんです。小さい頃からなじみのある鉄道会社で、勤務地が家から近く地域貢献になると思い応募しました。私は39歳で入社し、鉄道関連の知識も資格も全く持っていなかったので、入社前はすごく不安でした。ですが、年齢の近い上司や同僚の方々がとても親しみやすく、そんな不安はすぐに消え、鉄道運転士になるための研修にしっかりと向き合うことができました。
入社後は車掌として、運転士の補佐としてお客様と接する業務でした。車掌を1年間経験した後で、4ヶ月の学科研修と4ヶ月の実務研修を受け、甲種電気車運転免許を取ることができて運転士になれます。この40~41歳の時に受けた運転士教習(学科研修と実務研修)が一番印象に残っています。まわりは全員20代、ただ一人40代の自分が学科教習についていけるのか、同期とうまくやっていけるのか…「41歳の新人運転士」映画になりそうな経験でした。
学科研修では、法規・車両設備・運転理論などまずは用語を覚えることからなのでかなり苦労しましたが、上司や同期にすごく助けられましたね。実務研修では、大牟田線で初めて電車を運転した喜び、映画のワンシーンのような体験と光景、すべてが人生の中でも強く印象に残っている出来事です。なかなか言葉で表すことが難しく、ここでは伝えきれないので是非味わってほしいです!(※現在、実務研修は大牟田線ではなく、筑豊電気鉄道で行っています。)
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お客様からの声を励みに安全第一・健康第一
鉄道運転士の仕事は、もちろん電車を運転すること!ですが、筑鉄では、電車を運転するだけでなく、扉開閉操作、運賃収受、社内案内、お客様の乗降補助など、車掌と駅員を兼務しています。お客様との距離が近く業務も幅広いため、日頃からシミュレーションを欠かさず、あらゆる場面に対応できるよう心がけています。楠橋駅スタートから1周約80分間、停車時間が短く設定されているため限られた時間の中で大変ですが、お客様を無事に目的地へ送り届けること、降車の際に「ありがとう」「気を付けてね」とお客様から声をかけていただけることにやりがいを感じます。
勤務形態は勤務輪番表による変形労働時間制です。朝の4時半過ぎから夜中の0時過ぎまでの間で実働7時間44分、休憩時間は乗務系統ごとに異なりますが、楠橋駅の電車営業所で複数回に分けてとります(合計60分以上)。例えば午前勤務の場合、4時半ごろ出勤し、楠橋駅へ戻ってくる度に休憩をとり、14時ごろ退勤となります。午前勤務も4時半ごろ出勤だけでなく様々です。午前勤務の翌日は、基本的には休みなので長めにゆっくり休むことができます。平日に休みをとることができるのはメリットですね。頻繁には難しいですが、上司と相談して長期連休をとり、海外旅行や温泉旅行に行ったこともあります。
前職でも早朝・深夜の仕事が多かったので、それほどギャップを感じることはありませんでしたが、体調の管理には気をつかいます。生活リズムが一定でない中で、いかに睡眠の質をよくするか、一緒に暮らしている家族のサポートが欠かせないですね。日常においても安全を最優先に考えるようになり、「~だろうから大丈夫」ではなく「~かもしれない」とリスクを考え、リスクを減らす・リスクのない選択をするようになりました。
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「出逢いをつくり、期待をはこぶ」事業
通勤・通学ラッシュの時間帯は車内で接客を担当するアテンダントが同乗しますが、電車の運転は一人でするので、運転中に相談したり教えてもらったりすることはできません。その為、営業所へ戻ったときは共有事項である達示を確認するだけでなく、他の運転士にアドバイスをもらったり、時には教えたりする相互コミュニケーションを取ることを大切にしています。運転士は男性が多く、制服を着ているからでしょうか…男子校のような雰囲気ですが、相談などもしやすい環境です。事務・アテンダント・清掃で女性の方も活躍されていますよ。
電車を運転していると、顔なじみのお客様もできました。声をかけていただき親しくなれる、また初めて筑鉄に乗って「また乗りたい」と言って目を輝かせいてる子どもたちを見ているだけで喜びを感じます。筑鉄はお客様と距離感が近いので、私自身に刺激や安心感を与えてくれます。まさに基本理念である、「出逢いをつくり、期待をはこぶ」事業を通して、 "あんしん"と"かいてき"と"ときめき"を提供しつづけ、 地域とともに歩み、ともに発展します。という気持ちです。これからも、健康に留意し、食事にも配慮し、病気やケガをしないよう心がけて鉄道運転士として働き続けていきたいですね。
現在は、新人運転士の教習に携わる「指導運転士」をさせてもらっています。教えることで気づくことがあり自分も成長できて、一人前の運転士として後輩が成長していく姿を見れることに喜びを感じます。これから入社して鉄道運転士になっていく方から目標とされるような人になりたいと思います。40、50代でも、少しでも鉄道運転士に興味をお持ちであれば、是非挑戦していただきたいです。やる気さえあればサポートしてくれる職場環境なので、安心して飛び込んでください!